家具の下部で固定(転倒抑止)する、転倒防止マットとくさびストッパー方式の説明をします。
転倒防止マットは家具の下に挟みますが、家具の重量に合った枚数で、バランス良く配置しないと、重い家具の場合、転倒防止マットが潰れてしまい、揺れを吸収する効果が無くなってしまいます。
長所としては、背の低い家具にも使えます。
短所としては、重い家具には上手く設置しないと、作業中に床が傷付きます。
背の高い家具程重心が高くなるので、転倒し易くなります。
くさびストッパー方式は、家具の前側の下に挟みます。
長所としては、背の低い家具にも使えます。
市販品の代用で、新聞紙を細長く折り畳んで使用するのも良いです。
前側が上がっているので、引出しが飛び出にくくなります。
短所としては、家具の壁側の接触した部分の床に、傷が付き易いです。
別の表現をすると、家具の底の奥側に、重量が集中します。
家具の上側の接触した部分の壁に、傷が付き易いです。
別の表現をすると、背の高い家具程、壁に寄りかかってしまいます。(壁が傷付かないように、クッションになる物を挟むと良いです。)
転倒防止マットとくさびストッパー方式の、共通したポイントや注意点は、器具に乗っているだけなので、固定というより転倒抑止です。
家具の上側に軽い物を入れ、下側に重い物を入れれば、転倒しにくくなります。
畳やカーペットの床は軟らかいので、背の高い家具や重い家具には不向きです。
家具が2段重ねの場合は上下連結が必要で、両側面の壁側端2ヵ所で上下連結します。
チェーン式器具と併用する事で、効果が高くなります。(併用する場合は前側端2ヵ所で上下連結します。)
転倒防止は今回で最終回です。
これまでL字型金具、チェーン式器具、ポール式器具、ハニカムボード方式、転倒防止マット、くさびストッパー方式などの説明をしましたが、この名称が正式名称というわけではありません。
ネジ止めをするL字型金具やチェーン式器具なら、強い材質の物で正しく設置すれば、震度6強に耐えられます。
実験によると、その他のネジ止めをしない転倒防止器具では、震度7に耐えられると表記された器具でも、震度6強に耐えられなかったそうです。
正しく設置できれば震度6弱には耐えられたそうです。
なので転倒防止器具に過度な期待をせず、何もしないよりはかなりまし程度に、考えた方が良さそうです。
あとは本やテレビ番組で、設置方法の説明があったとして、私とは違う説明をされる場合もありますが、それぞれの納得した部分を参考にしてください。
私の説明の仕方では、職人さんでないと理解しにくい所もあるでしょうし、本やテレビ番組では、説明が省略されているはずです。