工事現場でよく見る、汲み取り式の仮設トイレは、設置場所を確保して仮設トイレが届けば、速やかに設置できるメリットがありますが、デメリットも理解し対処する必要があります。
デメリットはすぐには届かない事と、タンクが一杯になっても、すぐには汲み取りをしてもらえない事です。
更に仮設トイレの多くが、階段付の和式便器なので、要配慮者には使用が難しいです。
足が悪いとこの段差は登れません。
また設置場所にも配慮が必要で、居住スペースで臭いを我慢し続けるのでは困りますし、汲み取りに来たバキュームカーが、仮設トイレの近くに駐車できないのでは、汲み取り作業ができない場合があります。
下水道につないで流す、仮設トイレの設置条件は、下水処理場までの全ての下水配管に、破損や勾配(流す為の傾斜)の変化が無く、下水施設も正常に作動できないと流してはいけないので、設置できる地域や場所が、かなり限定されてしまいます。
下水道へ流せる場合、この様に汚水マスなどから流します。
この汚水マスの底に、排泄物が溜まる場合があるので、時々この排水の上流側から、バケツなどで水を流しますが、汚水マスの上流側から水の流れ(手洗いや小便器の排水など)があるなら、流す必要はありません。
ブロアーが運転できて浄化槽へ流せる場合も、同様に対応しますが、処理能力を超えると詰まるので、使用制限をしてください。
下水配管上の専用の蓋を開けて、便器と囲いと屋根を設置する(テントタイプもある)、マンホールトイレというのもありますが、設置条件が下水道につないで流す、仮設トイレと同じ設備(下水道が正常なら使える)や、排泄物がある程度溜められる、仕組みのある設備(溜めて汲み取りをして、下水道が正常になったら流せる)もあります。
下水配管や下水施設に損傷が無く正常でも、給水ができない場合は、プールや防火水槽などの水を、バケツに汲んで準備してそれで流しますが、汲む時やそばを通った時に、落水事故が起きないよう安全対策をしてください。
水の運搬距離が遠かったり、運搬回数が多い場合は、バケツの他に大きな台車などを用意してください。
仮設トイレなどを屋外に設置する場合は、強風で倒れないようにしっかり固定してください。
その他に自己処理トイレや、車載トイレというのもありますが、その様な設備を用意している所は、かなり少ないので説明は省きます。