前回の写真の様にするまでに、どんな手順で作業したか説明します。
食器棚は大きく重量があったので、この家のご主人と2人で作業しました。
食器棚の上に置いてある物を降ろし、中の物を取り出して軽くします。
食器棚の扉が作業中に開かないように、養生テープで仮止めします。
養生テープ以外を貼ると、剥がす時に塗装や貼ってある印刷が、テープと一緒に剥がれる恐れがあり、表面の劣化が酷いと養生テープですら、表面がテープと一緒に剥がれます。
少し離れた位置に毛布を広げて、棚上段を取外して毛布の上に置きます。
近くにも毛布を広げて、棚下段を持上げて毛布の上に置きます。
食器棚を移動したついでに、棚上面と棚背面と、壁と床の埃やゴミを取り除きます。
棚下段の上に棚上段を置き、両側面前側で上下連結します。
棚上段が作業中に倒れないように、棚両側面の上下接触部分全体にも、養生テープで仮止めします。
敷いた毛布を利用して棚を滑らせ、棚背面が壁まで30㎝程度の位置まで移動します。
棚の前側半分だけが毛布に乗るように、棚を傾け毛布をずらします。
(棚を上下連結して、養生テープも貼って固定してあっても、傾け過ぎると危険です。3人以上で行うとより安全です。棚で床を傷付けないように注意します。)
敷いた毛布を利用して棚を滑らせ、棚背面が壁まで5㎝程度の位置まで移動します。
(この時も棚で床を傷付けないように注意します。)
棚両側面の養生テープを剥がします。
敷いた毛布を外して棚を壁へ押し付け、棚背面を壁に着けます。
(前回の写真の様に、棚の左右どちらかに、体が入る空間が無い場合、棚で床を傷付けないように壁へ押し付けるのは、なかなか難しく腕力が必要です。)
壁の下側に巾木(はばき)があると、その厚み分だけ、棚背面と壁に隙間ができます。
壁の下地と間柱が交差した位置を探して、金具を固定します。
棚の上面の板の適切な位置に金具を固定して、壁の金具と棚の金具の間にチェーンを張ります。
(チェーンやワイヤーは、ハの字や逆ハの字に張ってください。壁と水平方向の揺れを抑え、棚が壁から離れない(隙間が拡がらない)ようにする効果もあります。)
扉の養生テープを剥がして(安全なら早い段階で剥がしても良いです。)、食器棚の中に物を戻して終了です。
今回はしてませんが、食器に滑り止めを敷き、扉止めを取付け、ガラスに飛散防止フィルムを貼れば完璧です。
道具や重量の事もあるので、自分では無理と感じたら、できる職人さんにお願いしてください。
怪我をしたり、家具や壁などに余計な傷が付いては困ります。